西陣の織元大森孫三郎(柳)は時代の流れには勝てず、莫大な借金を残して死ぬ。後には弱弱の妻お豊(東山)・戦争未亡人の長女芳江(三浦)・次女久子(宮城野)・東京で勉学中の三女富子(津村)の美人の三姉妹と、孫三郎に囲われていた芸者染香(田中)が残された。 子供の時から奉公していた番頭幸吉(宇野)が、高利貸し(菅井)から家を抵当に金を借りて家運挽回を試みたが失敗に終わる。東京の富子は婚約中の安井(三橋)との結婚を断念するというのを、久子が上京して安井の変わらぬ意向を確かめる。高利貸しが家を差押さえようとするため、家伝の道具類をその代わりに差し出すがを安値で買い叩かれる。染香は孫三郎に買い与えられた家を売ってその金を差出したが、それも債鬼たちにたちまち持って行かれてしまう。 幸吉は悪辣な高利貸を斬りつけ警察に引かれる。やがて出所した時は主家の窮状は更に激しく、久子から頼まれて芳江と結婚することになった。彼は心中で永い間久子を思いつづけていたのだが諦める。やがて大森の家屋も解体して運び去られ、庭の敷石までも債権者が持って行く。そして西陣町の中には荒らされた屋敷跡だけが残る。 1952(昭和27年)キネマ旬報ベストテン第11位
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