第Ⅰ部 記録映画篇(137分) 主な登場人物:藤原智子、湯浅譲二、観世栄夫、一柳慧、工藤充、佐々木守 1932年生まれの松本俊夫、その青春時代の映画との出会いから、初期の記録映画時代を語る。新理研映画で実験的なPR映画『銀輪』を手がけた後フリーとなり、映画のみならずラジオ、テレビ、演劇と多彩な活動を繰り広げる。 第Ⅱ部 拡張映画篇(153分) 主な登場人物:西嶋憲生、かわなかのぶひろ、波多野哲朗、金井勝、坂尻昌平、高山英男 3面マルチプロジェクション『つぶれかかった右眼のために』(1968)でカオスをはらんだ時代を捉え、大阪70年万博「せんい館」での映像表現に挑戦。第一批評集「映像の発見」の影響力の大きさが各氏の証言から浮かび上がる。 第Ⅲ部 劇映画篇(140分) 主な登場人物:中条省平、渡辺哲也、菊池滋、押切隆世、佐々木伯 松本の劇映画第一作『薔薇の葬列』(1969)から『修羅』(1971)、秋吉久美子のデビュー作ながら一時公開中止となった『十六歳の戦争』(1973)、そして『ドグラ・マグラ』(1988)に至る劇映画の系譜を探る。 第Ⅳ部 実験映画篇(109分) 主な登場人物:川村健一郎 実験映画の流れをたどりつつ、90年代以降の沈黙の意味を問う。2006年に川崎市市民ミュージアムで開催された特集上映「映像の変革」の関連企画展「眩暈の装置:松本俊夫をめぐるインターメディアの鉱脈」でのインスタレーションも記録。そこには松本の遺作(!)が展示されている。 第Ⅴ部 映画運動篇(161分) 松本と同様、映像作家で批評家である筒井武文が松本の書斎を訪ね、批評・映画運動に関する証言をまとめる。「記録映画作家協会」「映像芸術の会」「季刊フィルム」などで共闘した作家たちや、大島渚との論争などについて語られる。
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