班忠義監督は、1992 年より80 余名の、慰安婦とよばれた中国女性たちへの支援活動とともに、ビデオ記録をつづけてきました。 長い年月おさえてきた苦い水を突然一気に吐きだす苦しみ、その痛みに堪えて彼女たちは証言してくれました。 しかし、20 年の間に生存者は、10 名ほどとなってしまいました。 湖北省では「慰安所」が、山西省には「強姦所」が存在しました。 このふたつの地域を中心に、旧軍人の証言もまじえ、当時の事実を明らかにすると同時に、その後も心身の後遺症や周囲の無理解のなかで苦しんできた彼女たちの人生を映しだします。 その証言は、「私がいたことを忘れないでほしい」という痛切な願いです。 その願いは、現在も世界で発生しつづけている性暴力への警鐘となり、人間の尊厳、人権、とりわけ女性の人権、人間の罪とは何かを問いかけます。 当事者の証言は、日本と中国の共通認識をつくり、新たな関係を築いていくことにつながると信じています。
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