ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』を映画化した、伊丹万作最後の監督作品。時代を幕末から明治維新直後に設定し、前科者で何度も脱獄を試みたものの失敗、19年の刑に処された大沼という男が、ついには役人を殺して脱獄に成功、時代の混乱に乗じて世の中を渡り歩いていく姿を描く。ある時、彼は不幸な少女・千代子を引き取り、育て上げていくのだが……。これまでにもゴルズワジーの『逃走』を翻案した「逃げ行く小平次」、モルナールの『リリオム』の翻案「金的力太郎」で多大な評価を得ていた伊丹が、再び『レ・ミゼラブル』を見事に日本の風土に展開した作品。この頃から闘病生活に入った彼は、以後、稲垣浩の「無法松の一生」「手をつなぐ子ら」など脚本を担当したのみで、ついに監督に復帰することなく、1946年、世を去った。
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