2012年秋季 CX日剧SP 練馬北署強行犯係の巡査部長・魚住久江(松下由樹)は、職場で同僚たちとテレビから流れるニュースを見ていた。武蔵野市の雑木林で発見された遺体が、一部白骨化しており、死後半年ほど経過していることがわかった、と伝えるものだった。警視庁捜査一課に憧れる原口(戸次重幸)はそのニュースを片目に、昇任試験のため、道路交通法の参考書を手にしていた。一課の話題には加わりたくない久江は煙草で一服しようと、静かにその部屋を後にした。するとそこへ、警視庁捜査一課の金本健一(田辺誠一)が現れた。10年前は捜査一課でバリバリ殺しを挙げていた久江に、なぜ戻ってこないのか? と聞く金本。自分には所轄の方が性に合っている、と告げて、久江が部屋に戻ると、事件発生の連絡が入っていた。自宅で頭を強打した1歳半の男児が意識不明のまま病院に運び込まれたが、事件性が高いらしいということで、原口が病院へ向かおうとしていた。 久江も病院へ同行すると、けがを負ってベッドで眠っている1歳半の斉藤守のそばに、父親の明(ミスターちん)と、明の母の和代(星由里子)が付き添っていた。この日は、明がいつも通り会社へ行き、和代も夫が入所しているケア施設に行っていた。その間、守を見ていたのは、母親の由子(伊佐美紀)だが、和代が帰宅した時、ぐったりと床に倒れた守を発見したという。さらに、その由子が行方不明だというのだ。病院の診断により、守のけがは誰かに故意に傷つけられた事件と断定。しかも、守の身体には傷がいくつも残っていたが、どれも半年ほど前の古い傷だった。原口は、以前から虐待を受けていたのではないか?と推測するが、久江はまだ分からないことが多く、うなずけない。 久江は、斉藤家を訪ねた。部屋の中はきれいに片付いており、子どもに危険が及ばないよう保護ガードが設置されているなど、守への気遣いが随所に感じられた。そこに矛盾を感じる久江…。 久江と原口は、由子の実母や、昔勤めていた経理事務所などを訪ねて聞き込みに回るが、人付き合いのない由子の周辺からは大した情報は得られない。経理事務所から出ると、歩いてきた若い女(内山理名)と久江が軽くぶつかった。美人だが、地味で化粧気のないその女は、一瞬久江を見るが、すぐに顔をそらし沈んだ顔で去って行った。 そんな時、中央公園付近で男(窪塚俊介)の変死体が発見された、という連絡が入った。原口は、守の事件は母親の虐待に違いない、自分は殺人の方の捜査に行く、と久江を置いて去る。久江は、車の運転ができない由子の足取りをつかむため、斉藤家近くの商店街の防犯カメラの映像を手に入れ、署に戻った。すると、明日から配属になる新人の峰岸(馬場徹)が久江を待ち構えていた。久江は防犯カメラの映像を見る作業を峰岸にも手伝ってもらう。 翌日、久江は由子の私物を調べるため、再び斉藤家を訪ねた。引き出しの奥に、二つ折りにしてしまってあるチラシに目を留める久江。半年ほど前のチラシに、≪パッリーネ、クルミリ、ピニョラータ…≫などの単語がびっしりと書かれてある。首をかしげる久江に峰岸は、それらはスイーツの名前だ、と言う。甘党の峰岸は、すべてイタリアのスイーツでドルチェというのだ、と解説した。そこへガスの修理を依頼された、と作業員が訪ねてきた。一昨日の昼に電話し、今日修理しに来た、と言うのだ。一昨日は守が病院に運ばれた日。その昼に由子が自宅にいて電話に出ていたことがわかった。和代が帰宅したのが13時過ぎ、その間に由子になにがあったのか…? さらに、公園での殺人事件の被害者が、久江が集めた商店街の防犯カメラに映っていることも判明した。映像をつないでいくと、被害者の男は桜台駅から斉藤家の方面に向かっている。この男と守の事件とに何か関係があるのか? 由子の行方は? そしてドルチェのメモの意味は…?
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