斉藤由貴主演。佐賀、有田を舞台に、夫を殺害された妻が事件の真相を追う姿を、「有田焼」の伝統美や、それを創り出す工程を交えて描いたミステリー。伝統工芸に隠された愛憎劇と、次々に暴かれる夫や恋人の過去。そうした衝撃に襲われながらも、真実を知るために危険に身を投じていくヒロインを斉藤由貴が熱演。共演は清水宏次朗、鳥越マリ、中尾彬、船越栄一郎(現・船越英一郎)ほか。1996年作品。 佐賀有田焼の若き後継者であり、陶芸の世界で脚光を浴びている津島悠(船越栄一郎)・彩子(斉藤由貴)夫妻の創作した「染付龍文壺」は、東京で開かれた個展の作品群の中で、ひときわ絶賛を得ていた。個展の最終日が近づいたある日、その壺の裏に悠が絵付けした龍と同じ絵が描かれた「玉かんざし」の写真が置かれていた。その写真の裏面には「家族を返せ」という意味不明の文が書き込まれていて、彩子は妙な不安を感じていた。数日後、津島夫妻のドキュメンタリー番組を制作しようとテレビプロデューサー・高梨亜紀(鳥越マリ)が、有田にある夫婦の工房を訪れる。彼女を有田焼の原材料が採れる磁石場に案内した彩子は、磁石場の洞窟の中で女性の他殺体を発見。また、その2日後には嬉野温泉で悠が殺されて…。
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